<2089>「汗は土のなかでうたい、揺らぐ」

 言葉のない眼で、

 存在の底を見つめられると、、

 私はかたまった、

 ア、

 そのまま天を仰ぎ、時刻を仰ぎ、、

 次々に生まれていたものが見える、

 私は振るえ、、

 この幅にあるいくつもの色にそうていく、、

 ア、

 新しい振動の世界、

 身体がどこまでも浮かび、

 ひとつの歩幅が来る、、

 じれている、

 なにだかいくつもの騒ぎが来て、じれている、、

 

 私は手の中に生まれた、

 宇宙が変わって、、

 いまやどんな色もまた生まれ直しに来ている、、

 ハ、

 ほうけた光景だな、、

 たれの喉を通した声なのか、、

 私に分かることはない、

 存在の色のなかに混じり、、

 あなたが手をする、

 あなたが不吉な身体をすると、

 私は自身の地面の中に存在が還っていく、、

 土は、あなたの呼吸だ、、

 生まれていないみたいに、どこまでもひんやりしている、、

 私とともに眠っている、、

 からだがどこからも生まれ、

 じっとその時刻を見つめ、、

 どこまでも跳ね上がる、

 私が知っているところから、、

 どこまでも先へ、打って出てくる、、

 

 あなたは汗をしますか、

 汗を見ますか、、

 身体を見ますか、

 僅かに浮かんでいるものがここから見えますかね、、

 なんという確かなうたい、、

 なんという確かな手の響きなのだ、、

 と、、

 揺らぐうたのはに私は居て、、

 いつも存在へ等しく鳴ってくる、、

 あれは束だな、、

 生きているだけでもう、束なんだ、、

 そこからちょっと指をいれてごらんなさい、

 私も同じように声をしますから、、

 そこから少し駆けてごらんなさい、、

 今私は小説の初めの、

 日が明るく射す場所に立っているのだと思う、、

 なんていう、、

 しかしこの雰囲気と、香とがあれば、、

 それで大丈夫なのだという、、

 あなたの声がありますね、

 私はいるその領域内で静かに鳴るでしょうから・・・