<2034>「呼吸の中に、記憶の火がある」

 ちょうどそのふたつの呼吸のあいだに、

 なにか当たり前に流れてきては、

 ひとつの声をする、

 ものごとの形よ、、

 あ、あなたは居て、

 小さな姿をそこに見せている、、

 あ、

 呼吸の中だ、、

 こんな太い時刻は呼吸の中なのだ、、

 私は知っている、、

 糸の短いものも、

 火のなかで揺らいで、

 今そこで静かに揺らいでいるものの、

 呼吸が見えている、、

 ハ、

 なんという新しい手なのでしょう、、

 私は弾んだ、、

 

 身体から近いものの印が今やはっきりと見えて来て、、

 ここで歌う、、

 ここで駆ける、

 なんだろうこの欠け端は、、

 これはあなたの線までも当たり前に通じてしまっているものですか、、

 ア、そうですか、、

 それは随分と光を持つ話だった、、

 なんだかな、

 こんなにあたたかくて良いのかしら、

 という気がする、、

 私は光の中であんまり当たり前に揺れているような気がして、

 どこか別の場所へ来たのかしら、、

 と思ってしまう、、

 私は笑んで、

 その時刻の中で静かに回転してしまう、、

 は、

 私は当たり前にその中へ住んでしまう、、

 ただ生まれただけなのに、、

 身体が浮いて、、

 粒のように次から次へ、、

 私は迫り、、

 ひとの身体の中の線をじっと、

 聞いている、、

 

 あはは、なにかな、この粒は、

 うたいは、、

 ひどく軽やかな調子でここまで来ます、、

 私もその温度に合わせています、

 増えています、、

 ひたすらこの内部に身体を重ねて来ています、、

 あはは、、

 私は肌の生まれ変わりだ、、

 ひんやりとした記憶を持って、

 今そこへ、そこここへ、、

 漏れていって、、

 静かに挨拶をするのですよ、、

 まアなんという様子、なんというかたまり・・・