<1894>「重畳する色のなかの生」

 触ったのかな、

 いつからそこで白くなっているのか、、

 指にまじりはじめて、、

 あたしはそれをどう記憶していくのかさえ知らないでいることは、

 どうもなんともないようで、

 なにからなにへ渡ったのか、、

 はっきりとは映らずに、

 今そこにいながら流れていくのでしょうか、、

 数は知らない、

 速度は知らない、、

 静かに、

 その速度のなかに狭まっている、、

 なかからほうけて、

 

 色を僅かにそのなかに畳み込んでいたようなのだったが、、

 私は晴れて、、

 いくつも放射し、

 いくつも簡単に流れていくだけだった、、

 結局、光線のなかで、

 お前は幾度も幾度も湧いていたのだと思う、

 さわがしくなるこの場所の辺りから、、

 続々と生まれて、

 続々と駆ける、、

 あたしは胚胎して、そこに、、

 だらりと糸を垂らす、、

 お前ほうけているのか、

 眠りのなかにいるのか、、

 それは少し見ただけでは分からないのだが、、

 私は触れた、

 触れ得た?

 なにに、

 色艶に?

 振動する眠気に?

 いとも簡単に膨らむその運動に、ただ、、

 手を成し得たのだろうかということ、

 

 ぐるりをそれはひとつの光線で、、

 新しく焼くの、

 あたしはそれにも触ったのかな、

 身体が揺れて、

 もうその方途へ混じり込むのも、、

 静かに知り、、

 どこへだろと垂れていくものとして、

 慎重に過ぎるのかしら、、

 いまにきっと生まれて、

 この生き物は練り、練り、、

 物事を作っていく、、

 目の前に道具が放られて、、

 あたしはその香のなかにいるとえらくどこまでも静かになるような気がするんだよなあ、

 など、、

 それぞれの方途がここに印としてあり、、

 朝からあたりまえに動き、、

 次から次へと渡る、

 なにかがその背のところで叫び、、

 私はおびえながら、、その様子を何事ともなく探る・・・