<1865>「戸惑いのなかに生まれる街」

 ひとつの時日のなかにくらみ、、

 その空気から滑り出てきた人として、

 今の点を渡る、、

 じわじわと水がしみだして来て、、

 身体はただそこで曖昧になり、

 見えなくなり、、

 すっかりひとつの呼吸としてそのなかに溶けてしまった、、

 どこを見ている、、

 私は問われた、

 しばしば、どこをも見ていないことがある、、

 と、思われた、、

 今は、静かな呼吸のなかに参加していて、、

 ひとつを掬う、、

 時日を掬う、

 ひとつの手を合わせに来る、

 

 少しの火がつき、

 いつものようにさらに、回転する、

 身体が、

 私の前に現れて、、

 なに、どうしたらいい、、

 私はどこか知れないところから、、

 まったくまっすぐに、、

 求められているのを知ると、、

 道が、鉛色になり

 ぐにゃりとゆがんだらしい、、

 そうして、それも去り、

 私は涼しい、さびしさのなかにかえって、

 ひとりで嬉しかった、

 川沿いを走る、走る、、

 液のつきるまで、

 かわいて、そこに立ち尽くすまで、、

 私は、しかし、、

 異郷の、

 水を含む肌に触れると、、

 ただもう白い炎になり、

 その時日へ、覆いかぶさっていた・・・

 

 誰か戸惑いの、

 戸惑いの表情のなかに、

 生まれる街、、

 あなたはまた息をしなおす、、

 どこから流れてきたか、

 それは知れない、、

 ただあなたの異郷が、、

 存在から液になり、外側に垂れ、、

 その場に立ち尽くし、

 どこか遠いところの匂いを持っていた、、

 そうか、

 あなたも炎か、、

 どこまでも白い炎か、、

 私は この地面から立ち昇り、、

 静かにその様子のなかへ、

 紛れていく、

 遥か遠くから来たものをここへ受けて、、

 あなたはいつもの日をそこへ尽くす・・・