<1855>「静かな歩みをする人」

 いつそこへ出てきたのか、分からないが、、

 私はその踊りを信じる、

 その巡りを信じる、、

 それぞれで、身体がはじまり、、

 またかわいて立ち、

 一歩がそこに置かれるのを信じる、

 私も静かな作業台の前に来た、、

 いくつもある粒が、

 私に見えないので、、

 私は声を掛けないで、静かに待っている、、

 身体を探り、、

 いつもの仕事、

 ここが当たり前にのびやがっていくことを、

 ひとことする、、

 私はそのひとことに、静かに当たる、

 

 晴れて、見られて、、

 私は軽くなった、

 これは軽い時間だ、、

 非常にうきうきしながら、

 しかし、いつまでもこの時間にはいられないということが分かる、

 僅かに分かる、

 はっきり分かる、、

 私はまた静かにひとりで座っていた、、

 ひとりでここに生きて座っていて、

 あの軽やかな夢をしっかりと肢体に含み込ませている、、

 限りのない独話、

 限りのない振動、、

 はてという観念もないまま、歩く生き物の足、

 私は、その振動に対して畏れ入る、

 なにがな肌に染みた、

 時間をここに集めて、、

 何ものどこへ進む、

 この暗がりのなか、、

 ひたと地面につく、あなたの身体、、

 

 あたしはりきまずにいて、

 それでいて、へばりついていようと思います、、

 現象に、

 あくまで分からない部分を持ちながら、、

 それを、気が遠くなるような時間をかけて、

 そこに生きていようと思います、

 この歩みがただあなたそっくりになることを祈念して、

 ひとつひとつの存在が、

 そこに染みていくのを眺める、、

 眺めている私は、

 なるほど真面目になる、、

 彫琢されてまた、真面目になる、

 また、他の人が見ればそれは違うところにある、

 という話かもしれませんが、

 私は自らの欠点だと思う、

 しつこさや、熱の多さを、、

 静かに長く回転させる、

 原料にするという仕方を考えているのかもしれません、

 静かに歩みをする人に、私もそっと混じりたい・・・