<1810>「骨を含む、風が起く」

 その肌をえらみ、、

 まだ生まれてもいないところからあなたの表情が、

 いくつも映り、

 いくつもとける、、

 まだ私はそのなかにいて、ものをさぐる、、

 私のなかにあって次々に渦巻くものを、

 順番に手の中に込めて、、

 揺らぐ、揺らぐ、、

 私はそのなかに方途をたくわえ、、

 この、無数の連絡のなかへはいってゆく、、

 知らない、ある道順から、

 どうにも、そのなかに、静かに生まれて、、

 あたしはまた粒のなかにはいる、、

 流れて、流れて、、

 あたしは肌に静かに接近する、

 

 この果てのなかにいる、

 、先端は、涼しい。

 私は、涼しい。

 あたしの身体のなかに重なって、涼しさのなかへ抜ける、

 あれ、あれ、、

 静かな日のひらき、

 私は身体ごとここへ流れ込み、、

 また無言で印を付ける、

 印を付けたさきへ、視線が動き、、

 なに、しばらく留まっていた、、

 しばらく視線がそこにいて、、

 私はそこでも、永遠を、どうやら持ったらしい、、

 なにもかも剥がれて、、

 まったく関係がなくなったあとで、、

 ひとつひとつを辿ろうと思う、、

 そこで、家屋も剥がれ、、

 私はその地肌の浮き沈みに、

 静かに歩をつけていることになるか、とも思う、、

 

 私はこの地形の、起伏のなかに生まれた、、

 骨から風が起き、

 今ここに吹く、、

 今わたしの身体のなかに黙してはいる、、

 私はそれを含み、、

 静かな装いのなかにすべりこんだ、、

 はれて、ふれる、、そのいくつものてあいに、、

 踏み込んで、続いた、、

 私はこの時刻に、用意された、、

 骨の匂いを含んで、、

 また打たれ、揺られ、流れて、、

 静かにその様相のなかへ、

 またはいる、、

 あたしはこの起伏のなかを通って出来上がった、、

 また漏れ、浸透し、、

 いちの流れからは違う姿に、、

 静かに出来上がって、

 またこの地肌から静かに呼吸を受ける、、

 だらだら、だらだら、、

 あたしのながれが今に生き、、

 その上をまた駆く、また駆く、静かに骨が起く・・・