<1726>「ここに何かある」

 ここに何かあります、と、私でない人が言った、、

 ここに、何が?

 さあ、分かりませんが、ここには何かがあります、、

 分からないと言われたら困りましたね、どうするんです、、

 さあ、分かりませんが、ここには何かありますから、とりあえず進んでください、

 とりあえず進んでくださいって、どこまで?

 それはあなた、どこまででもです、

 どこまででもっていうのは、何が決めるんです?

 あなたには身体がありますね、

 ええ、どうしたってありますが、

 それがある限りはずっと、底までです、

 底まで行ったら何があるんです、

 さあ、分かりません、

 でも、分からなくても、あなたはここまで来たんでしょう、

 それを手に携えて来たでしょう、

 触れたのでしょう、

 何かのきっかけで、

 それで十分じゃないんですか、、

 何かがなければあなたにそれが触れてくるものですか、

 はあ、そういうものですか、

 ここには何かがある、という確言は腑に落ちないまま、

 ここには何かがある、といった、私でない身体のなまものさは、私にも分かるのだった、

 どうしても、分かる、

 私が日々きいていることの総体は、

 これなのではないかと、

 変に眠たくあった時刻を過ぎておもう、

 ここには、何かがあるらしい、、