<1696>「車両に放られて」

 過ごしていたところをどうもまっすぐに、、使い、

 あとは空白、あとは普通だった、

 どうも似ている、時日に、、

 お互いを容れて、そのまま、喜んでいるの、、

 喜んでいるところを、容れて、、

 電車に乗る、

 車両には、私がひとり、、

 そう、ちょうどこういう時刻では、

 こういう路線では、

 気が付くとひとりでいることが多い、

 車両にひとりで、

 ここにあるもの、ひとつひとつ、ぼうやりしてくる、、

 ぼうやりしてくると、

 この時間には、どうということもないけど、二度とあわないのだな、どうも、と思う、、

 

 ねえ、もう会わなくなる、途端に会わなくなるのに、

 今何も感じていないのが、不思議だと思わない?

 それはまあ、そうだけど、、

 確かに、悲しさが、一度にかたまって、全部になって流れるということが、会わなくなるだろう時間のところでは、起きなくて、

 ここから悲しさが少しずつ始まるだろうことを、

 僅かに感じているだけだった、

 何かは分からないけど、何かがそうして始まり出すときに、

 どうしても、ぼうやりとしざるを得ない、、

 私はあちこちから渡ってきて、過ぎるものに対し、ひとりでぼうとして、背もたれによりかかっているしかない、、

 車両には、私がひとりだった、、

 陽が、必要なだけおそい、

 その必要のなかで遠い、、

 眠ることもかまわない、、

 エネルギーの大きさが、

 身体をだるくしていた、、

 多分、今より若い頃、私はもっとだるさを感じていた、、

 エネルギーが大きいとそうなる、、

 反対にすこぶる元気にもなるものだが、、

 

 その身体はもう少し小さくなり、、

 ただ無容赦にひろい、緑の場所で、

 風に吹きさらされて、、

 ひとりで、浮かぼうとしていた、、

 はらわれて、大部分がこの場所に残ろうとしていた、

 風景は、多くない、、

 ただ、ひろいのだ、

 ここまでひろいと、私はひとりで立っているしかない、、

 どこからか違和も覚えないまま、、

 ここにずっと立ち続けてしまって、

 帰るのも、、

 身体のだるさが増す過程にそっていくことも、忘れられた、、

 しばらく立ち尽くしていることで、、

 足腰の強い、通路を、作ったのかもしれない、、

 なぜって、ここを行くのが容易だから、、

 どこまでも途切れないで、、

 二度と確かめえないところも、、

 あ、ちょっと待て、、

 身体は過程に乗って、だるさよりももっと先へ来てしまった、、