<1450>「私は凝視する」

 そこい、から、、

 上手く剥がれて、、

 身体を伝ってくる、、

 手を示し、、

 見せて・・・、

 そこい、から、軽く吹いてきている、、

 誰、、誰、

 鳴るのは、誰、

 渡すのは、、

 と、と、つたない空域を、す、 と抜け出して来たもの、

 お前が、、

 お前が呼吸して、なにほどかの響きを加えてゆくことに、

 今は、ここへ、こうして立っている、、

 ああそういう連なりのなかに、、

 剥がれて来たなにほどでもない香の、

 その途方もない生き方の影に、、

 なにがな、欠け落ちていながら、住まうこと、

 

 誰か欠け落ちて住まっているに違いない、

 ああ、ああ、

 と、、わたしの住まいへこんこんと湧く、、

 一連の音を伝えながら、、

 もうずっと吹き返しては、

 そこいへの途方もない惹かれを持って、、

 持ち上げてくる身体、

 持ち上げてくる目の玉、、

 凝視が、 ここへ生きてくる、、

 凝視が、ひとりただ生きている、

 かっせ、かっせ、

 かっせ、

 、、

 あたしはここの人が、

 凝視を持ち、、

 きょとんとして、、そのいちにんのさなかへ、、

 すっとそこいの方へ当たり前に逸れてゆくのを、

 長々と見つめていました、、

 

 ああ、ああ、なんと晴れやかな、、

 そこいからのささいなからかぜに、

 匂いを増して生きてくる一連の行き来、

 私はそれを凝視する、

 凝視する私は、

 そこいの方へ、なにがな手の残りを振り向けている、、

 私は、ただの香の残り、、

 剥がれた表面に、

 黙って指をつける人のそれになりきった、、

 やかましい空域におのおのの指をまぶせ、、

 あたしは凝視する、、

 まぶした色味のなかへ、、

 そっくり顔を映して、、

 誰かしら、何、何、という、あたしの表情を、

 そこいにただに浮かべる、、

 あなたがたにただに浮かべる、、

 それにはいくつもの指が、手の残りがはいっていて、、

 知れる、、

 これも跡、あれも、、小さな風でもかよってみないことには分からない・・・、