うたいは大事なところでそこの角を曲がり、、
消えて走って行った、
そこの遠のきのところで、、
目印として立っているひとつの生きていくさまを、
少し巻いて、、
そのままそこ‐遠くへ、遠のきへ、、
存分に触れておきながら、、
消えて、そこから走って行った、、
あたしの一歩の前でためらいが見せる仕草を、、
遠くから、
まったく感興から覚えていて、、
覚えているだけに、、なかへじり、じりじとと染みてきて、
その染みのあらわす色の真ん中へ居る、、
はいる仕草をここへ呉れる、、
あたしはそれに従って、、
ひとつのうすぐらいところへ身体を、
身体をそのまま放り出し、
置き放していた、、
それに肌をつけ、、
誰かがただ感興のなかに居る姿に、、
じかに指をつけていた、、
指はいつも知っているよりこころもち暗い色を受けていた、、
そこには踊るような時間がある、、
そこには跳ねるような、、
意識が肌の辺りですべて駆けて消えていくさまを、、
ほう、ほうと言い、、
まったくの隣で眺めていると思うのだ、、
駆けていく粒を眺めるさま、、
・・・、
あたしは日のなかへ複数になって、、
様々な角度を探る、、
指がひとつ入っていける、、
黙り込んだ隙間を、
感興に人知れず声を上げている隙間を、、
眺めていくさま、、
そのうえにこぼれている新しい粒と、、
いまだなにを語り出すのではない、
いまだなにを身体に当てるのではないで、、
いながら、、
あたらそれはこぼれ、、
私はうたいを諸方に見留める、、
こぼれていく粒が頻りに鳴っている、、
見定めがたいうすぐらの隙間のなかで、、
泡を立ててうたう数々の粒の、、
その緩慢さ、、ゆるやかが、
こちらへ、、
こちらへどうと流れてくる、、
身体の、肌の、感興の後ろで、、
新しく湧いたものは消えて、、
消えてそこから走る、、
走っているひとりの身の、、
うたいが逸れる仕草を、