<1406>「普通量の枠から」

 直に目を合わせてもういくらかが経つような、

 そういうところへ身体が居合わせた、、

 ことんとひとりの音を立てて、、

 もう相当数ばらばらの、

 あやふやな境い目を見ている、、

 

 見つめすぎられた肉体の人、

 ほうけてそのままひきずられてきたような、

 そんないちにんの静やかさをもってここに見つめられすぎていた、、

 ふと見るとほどけて違うものになっていて、、

 もうどんな話し振りもあなたの肌そのままではないと謳う、

 

 軽やかな声がここらを本当に並はずれた柔らかさで伝っていくとき、、

 それは、ほうけて それは、倒れた、、

 あなたの音響、、それも器、、

 身体が順に跳ねて生きているということが伝って来て、

 重さに身を構えている、、

 じり、、じり、じりと、持っているものの、全てを後退させる、、

 

 何かが肌のなかで生きているとすればこれはとても大仰な‐なかにあると言わずにはいられない、、

 身体が、想像しているより余計に、しっかりし出していた、

 これは、この場で少し、余計に煙を含んで、、

 一度後方へ、

 長く見つめている人のなかでさえ、ただ、なににもためらいがないかのように、曖昧で、

 ごろごろと、、

 ごく普通量の人の枠のなかで淀んでいた、

 

 これが通常時の含み方なのか、、

 あ、そうだ、

 壁面に種々雑多の、鋳型の声を残して、、

 その僅かな薄い‐剥がれた空気のなかへ、音声(おんじょう)を持った身が滑る、、

 ・・・、

 

 身体が、このうえへ滑り、そのまま、

 長く強調されてきたものの上に立って、、

 そのまま、、

 壁面が内側、、水を幾らも含んできたようにここでは思われる、、

 互いの浸透を、、

 どうつかまえるか、、

 ここで少しもとけだしていないと頑張る身体はいなかった、ただ、、

 振動して揺れて僅かに取れていくものにぼやぼやとした視線を送ることが可能であれば、、

 これはいくらも後に、それもずっと後に残る時間になると思っていた、、

 液がそのまま垂れた記憶だけを保持している、

 私は揺れと相談をする、、

 この方途にはいくつも溜め息が、、

 後ずさりする身体が、

 過度の水をもって、、

 動いているのではないだろうか、、