<1390>「個人の遅い液」

 ひとつの場所に集中して止まない重さのようなものを過去幾期間かに持ち合わせていて、、

 しかしそれは来歴が随分古い、

 しかし軽さはこの上もないと言えるような、そんな類いのものではなく、、

 少し、動きが速くなって、

 量的に多くなって、、

 複数の憂悶が複数の煩悶になっている、、

 身体は境を持っているかどうか、、

 液垂れが、受けてきた言葉の、

 反復する言葉の様を少しその表面に見せて、、

 ひとりはっと息をつく、

 流れてくるものになにか同じ印が見える、

 

 動くということが途方もないことだという感慨と、

 力の無興味と、、

 粒を粒を段々に細かく細かくしていき、

 今やまったく遅い液だ、

 遅さの液だ、、

 それは途方もない程以前から身体の時間を上回って垂れている、

 粘質が、、

 凝集する振舞いが、、

 一個人の淀みが、

 この表面に垂れている、、

 

 あ、ぼうっと、

 あぁ、あ、ぼうっと、、

 参与する、

 めまぐるしさの一切が無くて、、

 途方もない集合と、、

 より緩慢になるための溶け出しがあるだけ、、

 振舞いの後ろで、

 一挙手一投足の後ろで、、

 無感の渦が、、

 これと言う音も立てないまま、、

 混ざるだけ混ざり、、

 そこに居る、

 

 振舞いのそばで憂う仕草が上手く成り立たなくなってくるようで、、

 おさえた身体が、、

 そこから物事を見ているようで、、

 底の方へだらんと手をついたものが、そのまま、、

 温度に任せて、、活動する、、

 そのリズムはなく、、

 リズムから上手く身体は外れて、、

 浮かぶ、、

 眼差しも少し緩慢になり、、

 流れている、、

 一個人の感興に途方もなく覆い被さってくる、、

 音のない巡りと、、

 いくらでも繰り返される仕草の静けさ、、

 そのふちにいて、、

 少しずつそれが入り込んでくると、、

 遅まる、、

 身体から何からが、いつもより遠方を含んで来れる、、