<1298>「泡の」

 また、泡のなかでそわ、、としたのさ、

 よろけていたのさ、、音と音、

 さ・・・(さ、)

 今はもう、それと、音よ、駆ける、

 濁りながら場の、、

 濁りながら場の、立て始めるとき、

 (そんなふうにして生起してくる時日の)、

 まんまなか、

 まんまなかえ、指が、ひとつ、揺れながら食い込んでゆく、、

 過去さ、、

 また生起してくるさ、その、なんの音ともともどもさ、

 よう、、

 その泡、、

 

 ひとり撫でている、、

 かがれ、、

 なった音に、

 それが流れていたようだ、、

 ぼくのなかから、、

 一枚の音が延々と流れてくるようだった、、

 一枚の音のひだに挟まっているようだった、、

 ただ小粒に畳まれてこぼれてくるようにしてそれがよく打ち、、

 からだのなかえ、それもまんまなかえ黙って響いてしまうとき、

 さ、それは、

 時日のなかに確かにいたのさ、、

 それでかいでいる、、

 それはからだのなかの形をよくあらわして、、

 もうすっかりよく響く音になっているのさ、、

 そうして、ただもう膨らんで、、(ぱっと膨らんでね)、

 そしたら泡だもの、、

 ひとこともまた紛れてゆくさ、、

 延々に音も失ったままで響き続けそうさ、、

 声はそうだもの、、

 そうして打ち彫り込まれたものとしてぐわんと言うんだもの、

 さ、

 そうしてさ、ぐわんと鳴るんだもの、

 ね、、それから、さ、

 

 銘記、銘記よ、

 もう、分厚い回転の、、

 その日の、ちょっとあついぐらいの仕組みえ、小さな、指一本で触れてゆくんだもの、、

 ちょっと、歌がよく通る静かなゆきみちの、

 なかえ指が入るんだともさ、

 ね、

 そうでしょう、、

 そんななかえからだ全体がふるわれながら存在するでしょう、、

 それは、なんとなく軽くて、見事なことです、、

 あたしがまた同じ身振りをしようったって憶えちゃいないぐらい、

 ひとびとが誰も憶えないうちに通っちゃったっていって軽くて見事なんです、、

 それが、また、、音もないまましずかに木々へ、ちょっと寄り掛かってみていたりもするようです、

 そうでさあね、

 それでなくちゃここいらを上手く懐かしいと思えないもの、、

 私の歩がここにまた付着するのをどう言いようもねえもの、、

 ね、、

 こんなに歩が多彩なんだから、、

 もう、呼気も、そっといくつか持って、

 正面の景色にさりげなくひらくんだものさ、そうさ、ね、