<1218>「古い身体の明日」

 道が鈍い音を立てている。

 そうしてひろく、暗く、暗く、

 なんだかだ、音を立てていて、、

 どうなる、

 私がここで何かを待っているのではない、

 通過すべき何物かを感じ取っている訳でもないとして、、

 この道が確かに音(ね)を立てるのはなんだ、

 このことはおそろしく古い、

 おそろしく古い身体を獲得し、着ている、

 なにか踊りあがるようなことなのだろうか、、

 なにか、膨れ上がるようなことなのだろうか、、

 お前がずっと手を引いているけれども、

 引いてばかりいてはほどけるだろう、

 古い身体は糸でもあるのだから、

 糸は少し湿った痕跡があるのだから、、

 あたしをそうして探っていること、

 それはなんだろう、、 

 しかし古い身体には奥がないのだ、

 平たい一枚の紙切れを借りてきていただけだ、

 着衣が嬉しいだけで、裸などどこにもないのようだったよ、

 

 裸でなければあなたはなんだろう、、

 飾りが音を立てている、

 その衣擦れのひとつ、

 真暗な隙間にひとつ、

 照り映えている、、

 あなたは真っ白な眼をしているようだったけど、

 どれも飾りが音を立てているようだったけど、

 身体が余すところなく遊戯だから、

 私も遊戯であるだろうけれど、

 

 そうして、細い、細い身体を映して、

 丁寧に空間へ付いているけれども、

 あなたはなんでしょうね、

 これから疑問だって起こるでしょうけれど、

 静かな覆いの向こうで、、

 あるいは激しく立てている音の、ひとつやふたつあるとしても、

 そんなものは全く感じないのだから、、

 ここで、ひとつ不思議に思ってみようじゃありませんか、

 ミョウニチ、目が覚めている、

 ほとんど音ではないけれども、、

 あるいは古い層からのさわぎが、

 なにか、細い、頼んないものを伝って、

 イットキ、湿っているとも限らない、

 そうしてほどけて、

 また、道で、試みに、きっとしばってみたり、されている、

 道端で、順当に縛られている、

 誰の身体だと知らしたこともないのに、

 そうして、古い身体で、糸だから、

 湿って跡を付けて、

 また暗くなってから、今度こうして探ろうよ、

 誰が振り返るかも分からないけれど、

 そうして、奥がなく、ただ、

 静かに回転して、

 激しい音が生まれたとして、どこかにホウッテ、

 指を湿して、探って、