<1210>「橙色の付かない日」

 ちりちりと 燃えやがっている、

 ちりちりと、 これだけ素直に、

 そうして、華美、華美、

 華美、 はためく、

 目の前で穏当に揺れていやがる、、

 

 先頭をゆくあのものの表情を見ろよ、

 どうだろう、

 全く無心で光っているじゃないか、

 あたしがほ、ほ、と掛くる言葉も、

 ちょっと聞こえないようじゃないか、、

 歌が聞こえるよ、

 尋常それ、揺れてけ揺れてけ、

 あたしの頬に尋常それ、橙の色をつけてけ、

 照らせ、

 流れろ、

 

 挨拶が済んで、

 行進止むことなく、、

 私の中に音(ね)を立てている・・・

 まるで ごう、ごう、ばら、

 ごう、ばら、

 ばら、ごうと歌うよ、

 歌うよ、

 あくまで列の中にいやがる、、

 あんなにすざまじいオトヲタテテ、まるで表情を持たないのじゃないか、

 無心じゃないか、

 そうらどうした、

 流れよ、流れよ、流れよィテ・・・

 

 みぃ かっ、、とヒライテ・・・、 よう確かめなさいよ、

 あんたがあそこで揺れていたと、

 本当に揺れていたとするのはなんだ、

 それは何の心も持たないものの姿、

 色の強さじゃないか?

 すざまじい瞳の姿じゃないか、

 

 やあれ行進よう行進よう、

 お前さんは正気の姿か?

 尋常の日はどこに住んでいる?

 私が橙の色をつけてもらわないでもよい日、

 そういうときに、

 お前さんには会っているのかナ?

 誰が誰で、

 ここに見えない、新しい日を出したのだろ、

 ひっくり返るよ、

 私はどうしても人間らしいから、、

 あなたの言葉をきくと、

 もうそっくり、ひっくり返るけれども、、

 あんまり香ばしく燃え、光っていて、、

 照って、

 真っすぐにすうっと道が通る有り様を今静かに見たよ、

 コワクナッタ・・・

 あんなして先頭で踊っているのかい?

 どういう表情だろう・・・