<1125>「また鐘、踊りの隙間」

 透明な行方。

 明るみに出でた日、ひとりのそばへ。

 絶えず被さり、絶えずつぶやいている。

 おおでを振り、一切語らう。

 その沈着。

 日の後ろへ隠れる。

 一切はとけ、紛れもなくたゆむ。

 日の後ろへ姿を隠す。

 陰々と音(おん)、音(おん)おとだらだと歩む。

 また鐘、また鐘、また鐘。

 姿は見えていない。

 あるいは日を異にし、年も、また先も、先も。

 戻りやらない。

 まのあたりに光り、ちらちらと燃えている。

 あるいは巻きつかれ、あるいは死に、あるいは150年後を見つめている。

 踊りの隙間。

 踊りの隙間に諸々の視線。

 燃えている。

 いつの間に開かなくなり、いつの間に並ぶ。

 燃えている。

 姿も知らで、目も知らで耳も知らで、

 あるいはその先の人、人をひと、ひとつめで見つめ、

 見つめる。

 交わすなりすぐに絡んで、

 どこか深くに差している。