きはっつぁん、キハチさん、むむ、エノモトの、、
・・・
・・・、、明鏡(にィ)止水、、
触れ‐ウ‐そばから、静かに離れてゆく、
はあ、、
鋭いひとつの線、(ライナー)(ライナー・ライナー)
丹田の持つ熱、、
あァ、きはっつぁん、
そこで静かに立ち、強烈な打球を走らせること、ただそれだけを願った榎本喜八さんが好きだ
遊という言葉に馴染まない(わたしは遊が好きだが)、その喜八さんの厳しい緊張が好きだ
さて、、
きっとそのときわたしは後楽園球場にいて、榎本喜八さんのことだけを身体(からだ)、もうただの身体(からだ)で追っていたのだ
(かあさんが持たしてくれた握り飯、ほおばり‐
(‐そくねてしまった・・・
しかし・・・
(バットを持っていない バットを持っていない
(どうするのだろう・・・
そのままの姿勢で、野球をひと睨みして、のち、ただなんということなく口の端(ハ)、笑みを見せた
ボールはあくまでも静かに、柔順に、もうただの身体(からだ)の喜八さんのなかへ、すいいと入る
あァ、、そうか、、
うん、そうして、、涙が流れた このひと、喜八さんがひたすらに臍下丹田であったことを想い、涙が流れた
歓声、ご無用! 守備位置、ご無用! ただのライトフェンスを思えよ、ひとり涙したるわたくし!
その一陣の風、ライナーという乾いたもの
この熱はただの回転数であると言わんばかりの、涼しげな佇まい
わたくしと、喜八さんで、野球の外にいたい または、後楽園球場を静かに笑んでいたい
くらやみのなかにすっくと立つ無限の喜八さん(、、夢幻能、)
わたしは榎本喜八さんが好きだ