小さな部屋は惑う、
それは、彼が小さいからだ、
からだは、あなたが知っている、ちょうどその大きさだ、
だが、その大きさはどういう訳だか、捉えがたい、
わたしが知っている大きさではなかったりする、、
とろん、とろん、とろんと、
溶け出してどこまでも捉えにくくなっている、
ただそこに肢体、
なだらかに香りを放つ、、
そこで、肢体は、なまめしやかに溶けてゆく、
この油と、裸体のなかへ、あるなまめしやかさとともに溶けてゆく、、
ただ単純に、あまりに溶け過ぎてしまったがため、
ここいらでひどくロウたけてしまった、
たらたらとロウたけて、
そこいらでひょいと歓喜になればいいのか、どうだか、
そこいらへんはよく分からんのだが、
だがだが、
このひとたれひとたれが、
あくまでも透明な瞳を過ぎてゆく、
その姿が、
ただに切ない。
ただあまりにもロウたけてしまったために、
たらりたらたらと溶けてゆくのだとして、
ためらいつつしかし経験は必要だと知りつつ、
またひとつの形をなしてゆく・・・