<983>「不気味な男」

 でろんでろんでろん

 ただのぶゥ

 ただの不気味な男に秘かに似ている

 不気味な男 不気味な男

 それは誰なのか(秘かに似ている)

 不気味な男

 でらうでらうでらうでらう

 不気味な容れ物

 水を運ぶぜ

 とんころころころこ‐こころころろここ

 泥濘 泥濘

 泥濘から姿をじかに出す、、

 不気味な男は誰なのか、、

 不気味な男は指を差す

 不気味な男は誰だ(おれだ・・・おれか・・・)、

 優しい日差しに不釣り合いな溶け方をして、、

 微笑みさえその温暖さと袂を分かつ、

 不気味な男は誰なのだ、、

 おれは不気味な男の凝視のなかにあやしく棲んでいる、

 不気味な男は口を真一文字に結び、

 おのがふるえる映像をただにさらしている、、

 不気味な男、、

 それはおれか おれの線の上に連なるひとつの音(おと)のうちのわたしか、

 不気味な男、

 不気味な男はそこへ立つ。