<847>「場所という気恥ずかしさ」

 声が能天気に、その場へ置かれたように思う。しかしあのあたしの気恥ずかしさ、場所という気恥ずかしさへ、静かに、また不意に散じてしまったあの声の、向こう側へ・・・。

 速度が私を追い越してしまったっきり・・・。例えばその無言が、膨張する身体(しんたい)の表現、焦りの発露だとしても・・・。

 焦れた日(ビ)、高速の回転、おそらくは茹で、おそらくは噴出。表面へにじんだ、得体の知れない速さ、をぐっとこらえている。とけて落ちるのをまた無感情で見ている。

 スタンダップダ、淀み。いちからの音声、いちからのリズム。経験のあてどもない聴覚的分類。人の話をよく聞くこと時(ジ)‐脱落的(de)‐文意。ふるえ、ひとつの海としてのいわれない轟音。僕‐自‐振り向き。おとずれ。

 脚光線のなかへ不揃いの溜め息、待つ裏(リ)くるみ、ひともじとの柔和な語らい。

 細かなカットが、一斉に放棄されたよに映る。あくびの音声的振り向き、尋常線の膨らみ、不可思議人(じん)の狭間の装い。

 運動を、不都合に、また紙面に照らし合わせ、襞の笑み、またそれは深さで言うところの大口(ア、ア、ア)。現象が無性に声を欲すとき、身体(しんたい)の無言は誰に向けて開かれているのだろう・・・。

 クエスチョンマークがにじんで二重に見えている。俺以降の窓枠。空気は音声への跳躍を、いやしかし無言の矢継ぎ早にも移ろい、驚きはしばしば地べたにひっついている・・・。