<846>「・・・性」

 瞬きの多様性。連続写真の速度、枚数量から考えて、この無音表出は何だろう。誰かが、黙ってしまった、訳ではなかった。

 お隣のお隣はよく見えている。しかし、その隣は、そのまたもうひとつ隣は・・・。

 点滅。赤さは騒音にならない。その無言、無言の騒ぎは、落ちつきとも呼ばわれない。

 真昼間。それも、寛ぎの、非‐骨格性(せい)、誰かがただ名前を呼んでみただけ。笑みの昼間。無音は日々から問題であることを避(さ)けている。騒ぎにはいつまでも根拠がない。

 ひりつく‐音‐正面の、鐘(かね)。人が、むやみに輪っかに変形し、拡がり、おそらく瞬間々々に、ハッ・・・とする、起源の消失。まるみ‐自‐延々表出、それは無言。それは無音。

 俺‐ふと‐火‐ココア。ゆんべの音、もし、ぼぅやけ、延々と層を内に、また外へ、辿り直すことども、水分の前進、途方もない渦(うず)性(それはポンプ‐枝‐司令室‐オーケストラ?)。

 層のミスマッチ、ハリボテ的意味、新陳代謝。トンネルへ、音の揺り、音の非日常性。外側。層は、無言性を考えたことがない。それから殺到、うねりの言葉。

 骨格的な意味の外で、人間にはほとんど音がないのだと考えている。あたしは無音性表現の静かな待ち人(びと)のなかへ、ひよわな鐘の進路を開く。あなたの円環な笑顔。ひとところへ無限定の過去が集まる。