<752>「種」

 たね、まかる。まかると、軽い。たね、まかれて、かぶさる。ことごとととも、まじわり、恥ずかしい。たねごと、飲み下して、またたね、少しだけのぞいている。たねとて、見ている。たね、まかる。だれのほう、だれのほう。飛び上がるくせ、また訪ねる。例えば、明かしてほしいだけ。たねごと、ひととびに浮き上がるところ。ところで、たね、かため。たねのまかる。まかるるくせ、再び膨らむのとの期待。たねはかたる。かた苦しさのなかで。たねは飛んで、少しベタつきながら。たねのまかれているところ、ふとした不安の下で、地面ごと盛り上げて。平気でたね、膨らんで、ためにならない話のなかで、たねは育つ。任せると、たね、たねまかせにすると、するとたね、たねとふたりの人。たねはまかれた。語りたがりのそばで、もう一度、かたまりに似てくる。たねごと飛ばす。たね、まかる。まかるるうえ、たねはふたつの期待に、もりもり応えている。たね、ひとつだけ明かしてほしい。だれのほう、だれのほう。何事もなく開く。たねは大きさのなかで笑った。たねらしさ、見当たらず、容れものに、たねとふたり。うねり、たねまかる。まかるるとて、たねはたね。傍目には輝き、気がつけば語らい、噂以上のたね、たね以上の噂はなく、評判通りにたねがある。たねは通る。たねから食べた。もりもり食べた。不安になって口々に飛ばした。たねよ。