<751>「理の点」

 影にあなたからかかり出す。ところでこの、ことわりは。ただ出た、それも言葉に対する、曖昧な笑み。拾うのと、ほとんど同時に、違う顔をしていなければならない。ただの不安からいつでも呆れる用意をしておく。

 わざわざある。知らずと言えども、わざわざあるのに違いないのだが、各々の軽さなど感覚の全てを見留め合い、意識して流しておく。一語一語がそれぞれを噛んで特に遅くなってゆく。わざとまだ消えない。

 ありがちなものに、そろ、そろ、近寄って、おおいかぶさってゆくと、声を、二重三重にして届けている。聞くものは、意味のほかに、方向性、感覚、タイミングなどを用意して、うそとしか思えない話を拾っていた。