足だけの為に

 厳しい寒さが一旦落ち着いた為か、夜中の布団でひとり、上がるテンションを抑えることに苦悩していた。いかに寒さというものが気持ちを萎えさせているかを痛感するとともに、暖かいということがどれだけ有難いかを再確認出来たのは良かった。だが、明日の朝は早い。とにかく寝るのは寝ないといけない。

 「別にそのまま起きていても大丈夫そうだけどな」

そんな誘い文句が頭の中で何度も響くが、取り合わない。確かに、体力的にはそのまま起きていても全く問題にならないぐらいだったのだが、経験上、夜の間はとりあえず横になるだけはなっておかないと、ことのほか足が異様に疲れてしまうことを知っていたからだ。

 立っているのはもちろん、座っているにしても、足には相当の負担がかかってしまう。だから、いかにテンションが上がっていたとしても、眠くなくても、足の為だけにでも横になっている必要があるのだ。