通常、世の中で行われている「職業としての仕事」ではなく、私の人生においての「根源的テーマたる仕事」についての話、思いを書きたいと思います。
その「仕事」は二つあって、一つは、
「自分の子どもを持たない」
ということです。これは以前にも言及したように、人間社会における種の保存の否定ではありません。ただ、私個人の思いとして、この世に生まれてきてしまえば、数々の嫌な思いをするし、また、他人に嫌な思いをさせることになる。それに、人間社会の存続は、数多の残酷の上に成り立っているという事実を知りながら、その上で自らの分身たる子どもを世の中に誕生させ、
「先祖もこうして命を繋いできたんだ。これは嬉しい事だよ」
であるとか、
「生まれてきてしまった以上は仕方がない、頑張りなさい」
といったような、嘘偽り、ごまかしを、子どもの前で口にすることは出来ないといった思いがあるのです。
なので、人生における大きな仕事の一つとして、
「自分の子供を持たない」
というのを掲げています。残酷であることを知りながら、その世界に我が子を放り込むことなど私には出来ないのです。
もう一つは、
「決して自分からは死なない(自殺しない)」
ということです。それは、生命の道理に反するというのも勿論ですし、またそれ以上に、虚無感や己の残酷さから最期の最期まで目を逸らさないでいたいという思いが強いのです。自死を選べばそこから逃げることになりますから。たとえ、何かの間違いで、自分の子ども持つようなことをしてしまったとしても、そこから逃げ出す、つまりは自殺するようなことはしたくありません。
私は、今はまだ職業には就いていませんが、この先私が、どんなに職業で功績を残し、社会に貢献したとしても、
「自分の子供をもたない」
「決して自分からは死なない」
という二つのうちどちらかでも守れなかったら、私の人生は大失敗だったと言って良いと思います。
反対に、どんなに就いた職業で失敗し、社会に貢献できなくても、この二つを守れたなら、私の人生は大成功だったと言えると思っています。それぐらいに、私にとっては重たい一生の仕事です。