<2936>「粘液に合わせる」

 あなたがこの時間に口にする、

 その粘りは、、

 あなたが、

 無音の空間に出て、

 たったひとりで、

 からだを、

 思うところへ一致させていく時間、、

 あたしも、粘り、、

 あたしがどこにいるのか、

 まったく分からなくなるまで、、

 ここに居、、

 ここで身体をつくる、、

 

 きちんと、走るには、やはり、

 これぐらいの身体の軽さ、、

 これぐらいの回転、、

 あたしは、少しずつ、、

 現実の、感触が変わっていく、

 その場所を、見ていた、、

 あたしは、

 順番に身体になってきた、、

 あなたの、

 あなただけの身体の波がある、

 波にもモードがある、、

 私はそれに合わせにいく、

 マジカルな仕方かも、

 それはひとつの感覚の、

 延長の、、

 あたしの作法のことかもしれない、

 ただ、

 この空間に混ざっていくこと、、

 あたしをからだからつくり、

 その先へ、

 ひとつひとつ転がして、

 あなたを作っていくこと、、

 あなたは速かったり、

 遅かったりしない、、

 ただ、

 回転が言うことをききはじめただけ、、

 あなたは眠りでもない、

 目覚めでもない、、

 ただ、

 身体の方向に存在する風があるだけ、、

 

 それを見ている、、

 まったく、

 これが分かっても、

 何も分からないということは、なにだろうと、

 ひとはひとつの疑問を発出し、、

 からだをちがえ、、

 しかしからだからはなれることを無意味とも決めず、

 連絡が、

 取れたり取れなかったりする、、

 あたしは語らいのそばにでる、

 だめなものも、

 良いものも全て出て、、

 あたりまえに漏れていく・・・

<2935>「集まります、見つめます、真剣です」

 まだあなたの姿では足りない、

 まだ、

 あなたにはからだの運動が足りない、

 生きている、、

 しらないあいだに、

 私には複数の時間が積もり、

 それらはすべて生きていますよ、

 私はただ歩いていただけです、

 ものが集まります、

 人が集まります、、

 からだが集まります、

 時刻が集まります、

 ふるえています、、

 今このように過ごすこと、、

 あたしにはいくつもの骨、

 あたしにはいくつもの領土、

 水と骨、、

 水のなかで遊ぶ生、、

 みんな、

 集まってください、、

 

 なかに内自、、

 なかに時計、、

 あたしは水を振るい、、

 からだのいくつもの平面で、

 波紋を作る、、

 その水の紋様で生きます、

 あたしの声が、

 あたしの空気が、

 あたしの感慨が、、

 どこへどこへも届きます、

 眠ります、

 収めます、、

 新しくなってきます、、

 新しくはじけてきます、、

 からだの層にたまる、、

 あなたがたの表情や声を、、

 私は見つめます、、

 からだを見つめます、

 時間を見つめます、

 風の姿勢を見つめます、

 生きてます、

 生きています、、

 ねえ、

 あなたは真剣です、、

 

 あなたは表情が、とけて、

 私は見捨てない、、

 私は拾いに行く、

 なぜなら私は真剣だからです、、

 ここには私がいます、

 私は真剣です、、

 わたしは楽しいが、

 楽しいだけではない、

 責任があります、

 生に対して・・・

<2934>「管がある、記憶がつながる」

 あまりに簡単に、

 からだがひらいてしまう世界で、

 ひとつのさびしさとともに、、

 あたしは、

 ただの空間を行く、

 ただ行く、、

 私はまだひそかに、

 からだに集まっているけれど、

 私は声を、

 順番にきいたままで、、

 それぞれの景色の延長へ、

 それぞれの物事に、

 はっきりと当たりながら、、

 からだがうまく集まれる、、

 

 あたしからして、、

 ただつながっているだけで、

 管から、

 あなたの生活や、

 記憶にかかわるところが、

 随時、

 育っているのを見ます、、

 それはなかに入り、

 しらない記憶の形をして、

 しばらくとどまります、、

 しばらく透明になります、、

 それはよく揉まれ、、

 ひとつの熱の姿になったあと、

 あたしの肌に落ち、

 よく記憶になります、、

 あとどれくらい、

 これは記憶になるだろうか、、

 あたしは外へ走ります、、

 記憶は後景にしりぞいて、、

 あたしは、

 この辺りとひとつの姿になり、、

 しずかに動きます、、

 しずかに流れています、、

 ええ、ただ、、

 身も葉も青い、

 全ての景観に、

 内自、あたしは育ちます、、

 

 おまえがここに存在すると決めたこと、、

 存在からこたえが返ってくること、

 あたしから先へ来ること、、

 どれも、、

 ひとつの記憶のなかで、

 穏やかにはじまることだ、、

 だれかの手のなかに、

 すすんではじまることなんだ、、

 ながれがふえるまま、、

 からだがはいかいするまま、、

 あたしの身体の粒が吐かれて、、

 しらない土地に、

 記憶を生むまで・・・

<2933>「楽しく、真剣に、という言葉」

 いずれゆっくりと伝わるから大丈夫なんだ、

 あなたは死んでもいいとは思っていませんよ、

 ただ、

 いまは子ども時分に、

 なぜあれだけ大人が真剣に、

 楽しく、真剣にね、

 と繰り返していたか、

 それをゆっくりと理解し始めたところです、、

 子どものころは、

 真剣に、楽しくと言われたって、

 早く家に帰って、

 テレビを見たり、

 ゲームをしたりしたいと思っただけでした、、

 

 それはやはり、

 いくら上手く機能していないとは言え、

 家庭の庇護のもとにあったからなのです、

 籠の中にいたからなのです、、

 大人になると、

 私たちは想像以上にむき出しです、

 吹きっさらしです、、

 なにも守ってくれるものがありません、

 そうすると、

 身体は元気でも、、

 これは下手したら死ぬな、

 ということを考えながら生きなければなりません、

 それは、きっと、

 父親になっても、

 母親になっても、、

 おんなじことでしょう、、

 守る立場なのであって、

 守ってもらえる立場ではないので、

 吹きっさらしです、

 吹きっさらしのままなのです、、

 

 そうすると、

 私たちのような大人に出来ることは、

 一瞬を、

 一日を、

 真剣に送ることだけなのです、、

 必ずそこに、皆、

 どんな形であれ辿り着くのだと思います、、

 また、

 いい気になって調子に乗るのでも、

 自分をヘコませているのでもなく、

 もとよりそんなことをしている時間はもう残されていない、

 今日でひょっとしたら、

 お前という人間は最後かもしれないよ、としたら、

 楽しく行くしかないのです、、

 あのとき大人たちが、

 必然的に到達していた場所に、今、

 私もゆっくりと到達しつつあると思います、、

 生まれたときから私は人間ですが、

 とても人間とは思えないようなところからはじまって、

 だんだん人間になってきた、

 吹きっさらしの場所に立ってはじめて、

 人間とは何かがだんだん分かるようになってきた・・・

<2932>「望んだように、変更されたもの」

 私には、

 それは雨でも、

 ひとつの時間でもなく、

 ただの感激でもなく、、

 身体にまとわりつくものの、

 しずかな熱と、

 興奮でしかない、、

 あたしにはもののたましい、

 もののかたまり、、

 ひとつひとつが投げ込まれ、、

 明日は豊かである、

 豊穣とはなにだ、、

 満たされた、とはなにだ、、

 あたしの言い、、

 あたしがそこに着くこと、

 そこの時間を試すこと、、

 順番にきこえる、

 

 あたしは外を向き、、

 内の浸透の、

 そこは水の流れです、ときく、、

 誰もが、

 あなたと同じである訳ではない、

 あなたと同じように、

 生きている訳ではない、

 当たり前のことばが、

 私に秘密を授ける、、

 私には、

 しらないあいだに出来た、

 身体の現実がある、、

 現実は、

 あなたの望んだように、

 変更されてきた、、

 これから、

 良いことが起こるとか、

 悪いことが起こるとか、、

 それらは、

 どちらでも良いことで、

 事前に構えることは、

 卑しいことではなかろうか、、

 あなたは、

 今日が限りとおもい、

 真剣に生きるしか、

 選択肢はないはずだ、、

 

 今日を限りとしても、

 そう簡単には死なないもので、

 だから、

 1日先へ行くごとに、

 1歩遠くへ行っている、という、

 二重の設定が必要だ、

 武士道は死ぬことではないのじゃないかしら、

 いつ死ぬか分からない、

 死ななければならないことがある、ということを承知して、

 あくまでも生きることではないかしら、

 と思いました・・・

<2931>「回転数、私を招ぶ作業」

 形のない見事な、、

 私の膨らみの、

 そのなかにあって、

 あたしは、

 性や名前を、

 獲得することの、

 困難を思い知っていた、、

 私が徐々に諸方へ、

 力のなかへ、

 ただ無数の表示の点滅のなかへ、集まり、

 そうして潜んでいく、

 そういう集中に出会ったとき、、

 私は影も形もない、

 まっしろな時刻にぶつかってきていた、、

 

 あたしは灰になって、、

 風に吹かれるまま、

 あたしは混乱になって、、

 水に呑まれるまま、、

 ただの、存在と名指すには、難しい、、

 奇妙な存在、、

 私からはじまって、

 ひとり、

 時間に覆い被さってくる、、

 ひそかな存在に、

 私は向かっていた、、

 私は、

 過去や記憶との距離をはかり、

 全く白くなったり、、

 全く人格が変更されたり、、

 そのまま身体に、

 知らない糸を垂らしてみたり、、

 こんな場所で、

 こんなさわぎのなかで生まれることは、

 一体私にとって何かと思ったり、

 全ての時間が分かれており、、

 分かれているものがあたしには来る、、

 あたしには存在の影、、

 

 まだ見慣れていない、

 あの人はなんなの、、

 あの人は頭がおかしい、、

 私は作業をする、

 経過する、、

 これが、

 狂だともなにだとも思わず、

 私は作業をする、、

 どこに着くかなどは問わない、

 着くことが未来ではない、、

 回転すること、

 生きて日常に漏れていくこと、

 その日々の更新だけが、

 私を招んでいる、、

 私から招ばれたものも、

 徐々に、

 この場へと集まってくる・・・

<2930>「風の時代」

 肉体の充実を嫌うのか、、

 私は歩くともなく歩いている、、

 からだから搾り出される、

 あなた、

 内界の水、、

 あなた、

 内界の水から、そっくり出てしまう、、

 そっくりころげて、

 からだから、

 しびれでて、

 しびれでた先の私、、

 私から胚胎する肌、

 過去からよそへ、

 よそから、、

 またしらない境界を歌う私、、

 

 からだからふたてに分かれて、

 水を言う私、

 風と言う私、

 あたしは肌からなにから、

 あなたに渡してしまう、

 あなたに任してしまう、、

 うん、、

 かんれんのないように、

 見留められるひとつひとつの出来事の、

 なかで生まれる日々、、

 私は水のなかに、

 そっくり集まって、、

 そっくり踊る、

 しらずしらずのうちに、

 あなたの現象の浮きになる、

 あなたを待っている、、

 風は、

 あなたを待っている、、

 無言のなかに、

 ひとつの小さな粒を渡して、、

 

 私は、

 あなたがいるとき、

 同じ場所が、

 違う空間に感じられて、、

 それにほころぶものがあり、

 太陽も、少し優しく、、

 私から出る空気も、

 普段より少しあたたかく、、

 眠ってしまえそうだった、

 ここで眠ってしまえることは、

 幸せそうだった、、

 あたしは時日の上に、、

 軽い呼吸を置いて、

 もう少しあたりまえに、

 あたりまえの存在になれた、

 存在にさせた、

 あなたに挨拶にきた、、

 あなたと緑との、

 無言の時間・・・