<2186>「悲しみ」

 ここが身体の全てである限り、私の時刻は不明なままだ。

 時刻が不明なままである限り、ここは身体である、

 あ。

 宇宙の呼吸はあんなに青いのに。

 私の横で、あんなに青いまま、しずまりかえっているのに、

 私は時刻も知らないなんて。

 きっと熱から生まれたんだ。

 わたしとわたしでないひととの熱から。 

 わたしは生まれて、熱なんだ。

 きっと、時刻も知らない頃から。

 はじまりの家が、いつまでも巨大であることによって。

 物理的距離が、時刻の始まりとどうかかわるかをしらないことによって。

 ひとつのねつのかたまりだったんだよ。

 わたしが、ねつが、てのひらが。

 その青い静けさをつかまえたてのひらが。

 だ、