<1722>「現実がよく夢になる」

 知らない時刻から、

 のびて来よう、のびて来ようとする、

 知らない、時刻をきいている、

 実は、そのなかで育ったこともあるというのに、

 身体のどこかが反応するような、こともない、、

 ほとんど、時間を持っていない地点では、

 私は何をするのだろう、、

 ほとんど、もう、眠りにつつまれているといってもいい、

 その動きのなかのこと、、

 

 丁寧に層を重ねる人は、時間の進みを変えたりはしないだろうな、

 であるから、私もそれに、静かに従い、、

 呼吸が経過する時間に、それ相応の、幅が出てくる、

 幅の中で眠る、

 非常に遠方へ、遠方へ、、

 私の中には何ものもない、というのは意識ですわね、

 でも事実はそうではない、

 終始だるい、

 気持ちが何も持ち上がることはないと言いながら、

 ひとつ事を終わらせて来て、

 少し湿り気を帯びた部屋へ入る、、

 あたしは前に住んでいた家でもそうだったが、、

 部屋というものは暮らしているうちに自身の中心になってきて、

 そこにいない時間の現実性というものは、

 部屋に帰ってきた瞬間に霧散され、、

 ただよく出来た夢のようにしか思えなくなることがよくある、、

 現実が夢になると、そこはあけらかんとして眠さがない、

 眠さは現在に、意識に今の時間に関係してくるところのもの、、

 身体が、いついかなる時もひきずられている、、

 

 気合を入れ直すような動きがあまり好きではない、

 けだるさならけだるさなりに、対象へそのまま入っていく、、

 そこで明らかな花が咲き、

 私の方を見つめながら揺れている、、

 私は少しほる、

 またほる、またほる、、

 少し深くなるだけ、

 またほる、もう少し深くなる、、

 本当という表現で掴まえられるなにものもないとおもっている、、

 本当の、という響きをきくと、

 あれ、私はそんなものどこにも持っていないな、

 どこかに置いてきたかな、

 と、ぼうやりした気分の中で少し慌てる、

 だいいち、

 もう、部屋に戻ってきたら、

 さっきの、「本当の」ひと仕事が、もう、夢みたいじゃないか、

 これはなんだ、

 私は、現実に起こらないものを前にして緊張していたわけではない、

 しかし私は、現実に起こらないだろうことを起こると想像して緊張することはある、

 それでも、訳の分からないことだとは思わない、、

 過去の時間、つまり、夢みたいなことが多くなり、私もそのなかに重なり、眠さを頼りに、そこの方へ、身体を掛けている、なんぞということもある・・・、