<1414>「声の圏内から隔たって」

 立ってそこ、窓のそばで見ていた、

 立ってまだ見ていた、、なにものか、

 より長い時間、、

 合図を、合図と得て、、

 身体を振っていた、、

 私が見ているその向こうで、、

 

 その向こうで、向こう側で、、

 身体にしか出来ない声で、、

 その、在り方が、振るわれること、

 そこに出ること、、

 そこに出たことを確認すること、、

 なにかは分からなく、、

 掛け合う声の圏内から、少しへだたって、、

 見ている私の目を何事かと、、

 その一日の進行よりも遅く思われる、、

 おもむろな動作を、、

 不意の起立を、

 その向こう側で見ている、、

 

 ただその時間だけ、その時間だけは合図になりながら、、

 身体が小刻みに動いて、、

 私の前で、、私の知らない細かさ、

 素早さのなかにい、

 ただ私が知らない時間から幾度も幾度もこちらの存在を確かめている、、

 なぜこの時間にあの向こう側はいないのか、、

 どこまでも不思議だ、それに声もしない、、

 私が頻繁にこのように鳴るのに、

 このように鳴るだけのことは分かるはずで、、

 しかし、、別様の動かし方で、、

 そこにいる、

 

 どうも長い時間振る音もせないようで、そのまま、、

 倒れかかりもしないまま、、

 どこか、後ろの方を、、

 私の後ろの方を見ているようではないか、、

 その後ろにいた私の羽搏きを黙って見ているようでないか、、

 そうかしら、、

 振動していて次から次へと忘れた、、

 

 しかし、、飛行は忘れないであろうな、、

 そこで、、憶えられるまでにもいたらなかった、、

 ひとつの羽搏きの集まりが、、

 その緩慢な時間へどろどろととけひろがりながら長く長くここへ残った、、

 残っているものが今もなかなかそのままの姿の様を、、

 ここに見ていた、、

 見ていて、なんの音もせなくなって、はりついて、、

 少し生きていることとは別様に、

 その合図々々の繰り返しには知られない時間へ来ていて、、

 ひとりと、

 どこかで音もなく点滅するということ、

 立ち上がってかきまざり、、

 また、圏の外で、

 すばやい声が、