<1293>「無時間の線の音」

 あなたもきっと線が立てた音を知っているはずだから、、

 遠くまでのびているだろうの、

 私は黙して特に何を言うのでもない、、

 身体はどこでだって音を立てる、

 人は、どうにか、こうにか、見つけた、

 それはただの混線であって、混じるということであって、でも、なにか、忘れられないところ、

 その眼にはなにか忘れられない線が映って、、

 わたしがその先端を手に紛れさせても、

 全部が分かることってないのだけど、

 どうか、、

 私のその切れ端の色を見ていて、

 それでまた騒ぎのなかに育ってゆくから、、

 

 青い日のなかはあんまり静かで、

 私は距離を忘れる、、

 距離を忘れて、あなたが立てた香りのなかにいる、

 それで、どうだろう、、

 あの嬉しい隙間は、

 ほうけたようにのびてひろがっていたあの隙間は、

 香りが存分にはいりこんで、

 それで、どうだろう、、

 私はすっかり見られているのだけれど、

 それはいくつもの長い時間を取ったはずだ、

 そうだけれど、、

 もうたった一枚絵、

 びりびりと表裏に触れるたった一枚絵として、

 私を無時間で覗き込んでいる、、

 それが、まわるということになったり、

 駆ける、ということになったり、

 いろいろなんだろうけれど、、

 

 私はまた帰れるだろうか、

 きっとその他人事の動きが、、

 きっとまた帰ってゆく道を見出していて、、

 それでまた豊かな香りのなかえ、

 静かな青い日とひろびろとした川の同居へ、

 まったく一歩で踏み入れるだろうか、

 ということなど、まったくほうとした身体の持ち場で、

 ちょっと考えているけれど、、

 そこに、今、長く、

 とどまっていた、、

 中心点のない、

 こんなところにいつもの香りがあった、と思うのだ、

 揺れている、、

 泡のようにおもいいだすものが、

 線が走っていて、

 それが嬉しいこと、、

 ここはいつも風がよく通るように出来上がっている、

 すみずみまでその香りの、

 流れている、、

 溢れてまた続くようで、、

 私は見られている、、

 こんな、私が重ねて歩いていた、、

 道が今もあって、、

 日のなかにはいって当たり前に立っているようすを、