<1287>「無場所の遊に」

 この場で、遊は、なんだろう、

 遊は内側に上手く身体を折り畳んだのだろうか、

 さあ、

 非常な、膜の中に上手く身体を滑り込ませて、

 しかし、それが、奥へ、奥へなろうと、すればするほど、

 遊は、遊で、ひらいてきて、 、た

 、 、そこには時間がない、

 あなたが膜から抜け出た時間というものはどこにも見つからない、

 

 それは、泳いだのだろうか、

 膜すら、泳いだのだろうか、

 うん、きっとそうではない、

 身体に非常な音景色が与えられ、

 あなたは文字を拡大する、

 それは一滴の操作、

 呼応とはそういうものだ、

 

 波、波のかたち、揺るぎハ、遊へ、一切、遊へ、無場所の遊目掛けてく、

 そこではどんな音景色も混ざってしまう、、

 遊は、困惑ト、それから上手くうちとけているのだろうか、、

 こう、確定した物言いが利かない、

 ちょっときこえない、

 あれはあれ自身乱れることがなく、とても無場所だから、

 とても無量だから・・・

 

 そうしてあなたが一切の皮膚の内側に手を添えて、、

 全く働きかけているときの、、

 こわいろ、

 それは一度きり響き伝わったもの、

 しかし何度も何度も寄せ返してくるような心持ちで、

 あたしは外側なのかどうかも分からなくなり、受けていた、

 あたしは、遊の、こわいろの内側へ、すっ、、す、、 と滑ってゆき ちょっと時間のなさへ驚くような感じを持った、、

 独話は続く、いや、響きが続いていたと言った方がよいのかもしれない、、

 うん、、そうだ、

 

 そうしてわたしがこわいろのなかに遊を混ぜ込ませて微量な音景色の変化を受けるとき、、

 身体は無量の時間と同じ身振りになっていた、

 そうしてあなたのタッチが響き、きていた、

 もののなかにべたり、、ト、もう、つく、、

 それで、発話は妙に幾方向かを包んで出している、

 誰かがこの言葉の枠内に遊を、 ただの無場所を見出して、少しく身をよじらせるが、、

 遊は、時間を持っていないから、もう、膜なんぞ訳の分からないものを障壁と思わずに、

 そっと内側に手を添えている、、

 

 そうして声が長く続く、、

 いまや潜んでしまっている、ようにしか見えないものを、、

 そうっと見ていて、

 やや、

 あれは私と少しくかかわりのあるものだ、

 遊だ、無場所だ、、とこう思う・・・