<1270>「予感は暗い文字だ」

 予感は暗い文字だ、、

 一挙手一投足の、

 それには静かな色。

 黒、 と映えている、、

 今より暗い文字も、、

 これから生まれ紛れていく必要があった、、

 あなたが身体を振り払ったあとにただ呆然と立たされている一文字の人、

 一文字は希望ではない、、

 一文字は、しかし翳るのでもない、、

 刻印されようとして、、

 

 その一文字の匂い、、

 愉快に生起する一日の横に一文字の匂い、

 だんだん揺れて、、

 だんだん騒ぐと、

 匂い、

 全く、まったくの、

 全身が動揺体なのだ、、

 身体はちょっと先へ振れているのだ、

 

 わたしにはその背後もなければ、正解もない、、

 ただ投げ出され転がっているだけだ、、

 揺れた文字が、、

 ただ目だ、 ひとりのからだの目だ、、

 画面を想う、

 そのひとりの目を、

 刻印しようとして、、

 

 地面へ、地面へ、それはべったりと、

 それはべったりと、動揺体の全体は付着して、、

 付着して、乾いて、、

 なんのきなしに通う人が、

 ぐっとそのなかに入る、

 ぐっとそのなかに紛れる、、

 

 遠いんだろうか、、

 あの人の記憶は遠いんだろうか、、

 もんじがいつも垂れたままになっていて、、

 そのたたずまいとか、

 視線はちょっと名付けようもないものになっていたけど、

 誰なんだろうか、

 一体動揺体のリズムは響くのだろうか、、

 時日をこえて響くのだろうか、

 一文字の人、

 それは立っていた、、

 またそのまま、 激しく合わさる視線のなかを立っていた、、

 ぼくが見ているこの乾いたものから染み切った 時日が垂れ続けてきている、

 垂らしたまま、見ていた、

 この人は文字だ、

 この人は文字だった、、

 それはどういうことだろうか・・・