<1162>「さんざばらの夜」

 招んだのか、、?

 混ぜた、混ぜた、混ぜたのか、

 そうか、

 んだら踊り出ィ、

 どろどろ どろどろ

 跳ねたっ 跳ねたっ 跳ねたっ

 よう道よう、よう内よう、、

 さんざばら一切呼吸しょうぞ、

 おおどろどろ、おおどろどろ

 内ィ~内、内ィ~内、

 からから高(コウ)、からから高(コウ)と音ェたてしゃんす、

 淀み淀み淀みならばうぃ、うぃ、うぃ、

 

 ひとつばら ふたつばら かっさばいてあがりんしょう、

 おぉい、おぉい、

 おぉい、おぉい、

 恵みとなりや、泣きわめけェ

 おうおうおう、おうおうおう

 

 さて、、ぴたりと止むんです。

 あたしも一切言わないんです。

 するとね、すると、もし、もし、あたしは戻るようですよ、と、一言でおっかけてくるようだから、

 そんなこと思ったりしないよお前さん、お前さんがそばにこうして立っているのは一体誰だと思いなさんです、

 とこう言うとね、おほ、ほ、 どこへ行ったらいいのだと言わんばかりの、ねえ、アハハハハ、 それはそれは困った顔をしなさるんです、かあいったらありゃしない・・・、ねえ、

 

 夜だよオイ夜だ、

 見えねだろ‐ヤ‐見えねだろうねえ、

 オイほどけ、ほどけほどけよおおそうそう、

 おまさんが小さい手を振るねえ、

 おまさんが小さい手を、な、

 そぉりゃよし、そぉりゃよし、混ぜろィ、

 こうだ、それ、それ、それ・・・

 

 するとね、何の拍子か、目をあくでしょう?

 アラ、どこへ行きなすったの、と声をかけるとね、

 くしゃっと笑うんです、

 それでとっても嬉しいんですけど、

 それでも妙ですねえ、、

 あたしはこの人をどうしても初めて見るような心持ちがするもんですから、

 お前さんお前さん、お前さんは一体誰なの? とこう訊くんです、

 訊いたそばから、なんだかこわくなってしまって、

 ちょうど陽が雲に隠れて、サッと暗くなったもんですから、

 あたし、この人がどこまでもひろがって、そうして、どこにも逃げ場のないような心地がしたんです、ええ、

 そうしたらこの人がまた前触れもなく目を閉じるでしょう。

 するとね、誰か分からないけれども、こっちだ、こっち、こっちだよって、あたしを招ぶような気がするんです。

 それで、過去を向きました、