<1127>「縁と」

 縁のある姿よ、、くたびれて、そこへ臥しているの。

 また歩行が速くなれ、危ぶめ、危ぶめ。

 ただ落下としか言いようのない歩行をば、ひとり危ぶめ、縁のある姿よ。

 えにし、ただ真暗がりに、赤い眼をちらちらと揺らしているわずかな子どもよ。

 お前はわたしの腹のなかを休もうか。

 嘘でもかでもその真暗がりにひたりと頬を付けていようとも。

 あれはなにせ縁ある姿なのだ。

 私がひといきにくたびれてしまうそのただの真暗がりを、

 あくまでも騒がしくまるやかな瞳で過ぎろ。

 縁よ、縁と縁と縁よ。

 あからさまな陶酔の姿よ。うっとりとしたその一瞬間よ、身体よ、

 ひとつひとつよ、渦よ、真暗がり。

 たれか過ぎた道。けして働きかけないでおれる。

 真暗がりの焦れた身体よ、触れるのもはばかられるそこの身体よ、

 縁よ縁よ渦よ。

 投げ出され、ひらうだけの。

 ひらう限りでのまたたきたくましい人の時間と。

 縁あるあなたの姿よ。