<1086>「蠱惑、オレンジ色」

 語りかける、

 君はそこへ立って説明をしなさい、

 しかしわたしにはわたしの連続性があるのだとまずは語ってください

 これは誰のことだろう

 待てよあなたのことか、

 あなたあくがれ あなたのことか、、

 まちをすみやかに過ぐ、

 わたしが歩くことか、

 そばにはいつもいないことか、

 誰のことだろう

 わたしが話した時間だろうか

 ただ滑らかな夜半とわたしのことだろうか、

 いや日暮れだろうか、

 けだるくて寝ていた時間だ、

 瞬間の意識がちょうどよく溶けてなくなってしまいそうになっていて、昼間だ、

 蠱惑だ 真昼間だ 蠱惑だ、

 オレンジ色 肢体 オレンジ色

 ものとおい ひとはものとおい、

 あなたはさわぎ、ちょうどわたしに似て、眠る

 眠る 眠る 誰かは目覚めたままでいる、

 疾く 疾く 遠い 疾く

 あてがいそうになっている

 声が連続している

 隙間でまどろむ笑っている、、