<917>「記憶にただの走力を見る」

 よっと。ほっ。もっとも、と、ふたつの会話デ、響き、ひろがり、不安定の、夜空。

 またあくがれた。わたしからは砕けた。ものトおんの差、ひとは触れる。ひとはシチジュ―たび触れていて、また安らぐ、揺らぐと揺らぐ。ひとはほろほろと流れる。

 いただきにおんが近い。びり、り、よく、漂う。確かに混ぜ、ひとはそばで鳴り、ひしゃげて告げる、ノ、さみしさは、またわずかに唱えている。窮屈に並んでいる。

 ものはサァ・・・と吹き、ひとミリの砂漠を捉え、順序よく染みていく、ノゥ、うたごえ。軽やか、は、みだり。いぶされたイとウのために舞う。無言でたたずむ。無言は華麗さをいざなう。

 buy‐買(カ)‐ウ‐得(ウ)‐ル‐は、わたし・・・。ひとは口をすぼめる・・・。みながひらく。はてはわたしの枝の、、まくろな響きを・・・。

 子が子らを駆けてゆく。ひとは記憶にただの走力を見る。目一杯のはやさに微笑みとくらんでゆく、水はほおを寄せ、必然に、小さな手をやる、ト、振るう。

 小声はひとりの声を目指し、街へ紛れてゆく、ト、あなたは目の意味を初めて知った人(ひと)の顔をした。わたしはひそかに照れていた。

 不都合は時計を合わせていた。このときわたしはどこかへ遅れていた。遅れているというのは奇妙に愉快でもあった。また訳(わけ)もなくズレている。それがトボけた調子でないことにとっくに気づいていてそれは、ひとつの目安にさえなっていた。

 回転が綺麗な意味を帯びた。その光に顔を当てていた・・・。