<1304>「粒、にひとつの声、当たれ」

 あるいは細かく刻まれた粒子が、

 緑の記憶を把持している、、

 全く瞬間の腕、、

 瞬間の身振りを持って、

 その、舞う状況え、

 ひとり参入してゆくこと、、

 あるいは記憶、、身振り、舞い、といったもの、

 それらは圧縮され、、

 私の底の方でえらくスロウに動きながら

 (ほとんど動いていないと言ってもいいのじゃないかしら)、、

 緑の記憶に対する仕草を生んでくる、、

 それは枝をひらき、、

 また無官能のひびきで、ずっと、

 ひろがりとどまらない、、

 

 とどまらない粒の音垂れにそのまま身体を、

 身体を音の通るままに、

 私の風音、

 ふうおん、そのまま流れ、、

 駆け、

 粘性を帯び、ゆらりと垂れるの、

 そのままわずかな動きだけを残しそっと座る、、

 座しているリズムの、

 円を描く声、、

 

 私が声の円に乗るようにしてまた外界へ、

 いくどもまたたきながら滑りおりてゆくこと、、

 呼吸は粘り、、

 またざらついた音声(おんじょう)をあらわにす、ル、

 ・・・、

 いかがな具合に混ざったものだろうか、、

 その香を嗅いで表情がどうあれる、

 あらわれる、

 

 香に順次瞳を馴らしてゆく、、

 それで見えてきはじめているもの、、

 あるいはスロウで、見えていても、それが、何かは分からないもので、

 ひとりは足早に去ったり、、

 ひとりは集中してその場に居り、、

 ひとりはただその場所でほうけて長く揺れているようなことになる、、

 また、待っているひとがいる、、

 順次溶け出してゆくのを、、

 私に長い時間が掛かって順次粘り出してゆくのを、

 順調にたたずまいが粘ついてくることを、、

 

 声は声(じょう)ト、それと、ざらりとした、粘声(ねんじょう)ト、

 わたくしの円、、

 円に円がかむさる、、

 それは重ね、重ね、響きを重ね、馴らし、、

 側面がいくつも伝わる、

 いくつもの香の円、

 ほうと身体が馴れているなかえ、奥へ、

 細かくなったものは垂れてゆき、、

 ひとり身を持つ、