<776>「意識の帰り道」

 ここからまた、申し出は申し出で小さくなる。顔を覗かす。故と言われているが、どうだ。どうにでもならざるを得ない。特別な物事のようで後は綺麗だ。割れていく。どうであれ割れてゆく。苦しげで、物音と。

 さがるばかりのなか、思い出したところで拾う。俺は拾う。肉眼では足りなくなってくる。ぼかしているところばかりで俺は後ろにさがらなければならないのだ。したら笑顔。いつ見ても突然で、複雑な動きは少しずつふるえを交換している。

 今告げたろ。それは正しくはない。ただの間違いでもない。でも渡さなければならんのです。どうやら大きく回したり、細かないちいちの機微になるように、ただの音でも出さなならんのです、と。意識は嘘と一緒に眠っていても、ただでは帰らない。