もう一枚内側で、空気に触れていると思えた。独自の香り。収まるところへ、上手く収まっていないという考え、むしろよく動く。唇にやぼったく淀みが、挟まって押したり引いたり、あまり力も入っていないようで、どこへでもパアーッとひらけていかないか、などと、間を縫っていちいち漏れている。
ただでさえまとまらない。ぐいとひとつの場所へまとめる必要というものを、考慮しているか否か。
「こちらか、あちらか、どうなんだ!?」
そんなやり方では無理なんですよ分かりやすいけれども。どこでひらいたらいいか分からないものをひとつひとつ、それもごちゃまぜになりながら抱えているんですよ、と、ここにとりあえず放る。
行方を見ているうちのひとり、私。何から何まで話してしまおうと思うとき、1ミリ、それから無言。ただでさえ、まどろむ場所。果たしてこの光景は永遠に夢と別れている。現実はじゅくじゅく濡れている。