また普通の表情が出来たら。
そのことだけを考え、小さく身体(からだ)を折り曲げる。
そして朝、そしてすぐ紛れる。
一切が音へ、一切が他者へ流れ流れてゆくにつき、小さな鐘を叩き、静かに座る。
わたしはこの川に半分だけ身を浸している。
そして朝、そして鮮やかな流れ。
そしてためらいはじめること。
同一存在は声に夢中で、今ここ、わたしの視線からは去る。
そして冷たい水。
そして僅かながら挟まる石。
なぐさみから滑り、抜けて、なにとなし巡る歌。
勢いがよく。
なほうへ子どもらは指を差す。
声だけで割れて。
誰とはなしに紛れてゆく。
そして朝、そしてどこまでも垂れる。
ありふれた仕草で色を見、
窓を見る。
用意がよく、満ち足りて、
離れない。
そしてひとつの顔。わたしが指を差さないもの。