<733>「声が光り、増える」

 動き方まで何故か、知っている・・・。窮屈までがまだ、道を知っている。案内させたのは、隣でぼそぼそとものを言うのは・・・。思っていたより大きな口のなかで、隠れ場所を探す、その動き。ゆっくりと、いっぱいに嘘が映る。試しにこぼれて、ずっとその先、うろたえる。

 まだ、まだ、なか、には、年相応の転がり、よく似合うまどろみ。ふざけてこっちを見て。いつものとおりの小さな声が、一度だけのタイミングで、言うと・・・。明らかに光って増えていた。

 軽くなる、なにはなくとも軽くなる。出来うる限りゆっくりと手で触れて、思い出した、と出来うる限りの大きな声で、言う。何が流れたのか、初めて触れたものにまた出会って、まじまじとみる、誰であっても良いように。