<725>「不在の人の液」

 「全てを見下ろそうとする場だと自覚しなければなりません」

よって、どこまでも際限なく叩きつける動きになっている瞬間にも、注意しなければならない、と。この場で、語るべきこと、立場もなにもないということを、言い訳によって表すのではない。立場もなにもないという態度が語られるのでなければならない。すると、語りによって自身何も守られなければ、何の後押しもされない。これはきっと、不在の人だろう。分からなさ、をもとにした不在の人は、言葉が何なのかを考える。伝えることが、いつもひとりでに分かれて拡がってゆく。よく見たこと、聞いたことは話さない。一体全体、企みに似たものだけが薄れてゆく。

 突然、波間に浮かぶ。隠さない、なにもない、と笑顔。ほぐしたものは何なのか。思った以上に緊張している可能性がある、と片手で伝える。迷わすものといきなりまぐわい、だいじのなかのだいじは何か。彼か、挟まった私がうつむき加減にうつろう。腕のなかを巡れ、巡れととなえる。となえたがる人たちの列で、夢なのかどうなのかが映っている。確率とともに香り豊かになっていく。空気の気持ちよさに憧れている。憧れているのが表情となってうごめいている。とんでもない話に自身を似せていると思う。反省にする、反省がある。どうやら浮き沈みのなかに急激な考えが現れる、と、ひたすらにまぶしい。まぶしさ、その強さ、だけであったりもする。自由に、そのまま、任せているのだと、語ることもある。ことどもとともにある。休息の思いを出したり引っ込めたりしている。とろめいている。