<1806>「器の肌と熱」

 あたしのなかざまにただに揺れて出よう、、

 ものがそのなかにひらき、

 ただ私のなかへと移ろうとする、、

 かぜかたちの、なかざまをとらえる、

 私はそこでだんだん空洞化し、、

 見事な器の肌になるところまでゆく、、

 なに、なに、道が、ここにあいて、

 あなたへ、明らかな通路でもって、そこにアいていることとおもわれる、、

 もののひとつの振動が、

 はっきりとした、肌の表面を過ぎてここまで、

 なかざままで静かな表情で来る、

 それを知り、、

 私は肌へ、熱を持ち、上がってゆく、、

 

 なにか大仰な温度を持ちながら、、

 私はうたう、

 空洞になったから、壁の内側で、

 沈黙して、

 いくらも音になるのを待っている、、

 私はうたう、、

 その道のはげしく鳴るなかへ、、

 しだいに潜り、、

 そのなかで跳ねる、

 私は次々に跳ねて、

 そのなかで熱ごと起こってしまう、、

 次々に来、、

 次々に風、次々に揉まれて、、

 その私の中へ、、

 はっきりとした表情を出だして見つめる、、

 私は流れのなかにいて、

 たれか違うもののまなかへ、、

 おりて、おりて、たれて、、

 またすぐ音がないところへ、来る、、

 私はそのなかで生まれていた、、

 

 今に身体の跡に小さく風が吹き、、

 そこでさせた音が粒となり、、

 そこで当たり前に、人々に吸い込まれ、、

 形のない夢の一部を成して続くとき、

 私は驚いて、しばしそのなかへ立ち止まり、、

 焼かれ、、

 そのさわぎに静かに参加してゆくところにいたのだった、、

 私は焼かれて、声も何処かに漏れます、、

 それが張りついて、、

 私はそのなかに入り夢を見る人の姿のなかに、

 形のないさわぎがあること、

 ひとつひとつの姿勢のなかでそれを知りました、、

 あなたはあなたの時刻で、また、、

 次々に沸騰しているのですね、

 私はものを続けているとそのなかに沸騰の種となって、

 住まわり、、

 冷静に呼吸をしているのですね、、

 それだから、遥かに地域を出でて、、

 私がそこに溜まると、、

 また流れて生まれてゆくのです、、