<645>「留守居」

 輝く冗談にかまけていて、確信と方向だけが分からずに去ぬ。あーそれ見ろよ、あくびと同じだけの整列が回っている。

「当たらぬ、当たらぬ」

きっと、不安を感じる前にシュートして、場所柄にもなくウキウキと舞い上がってみたとでも、話したげな刻限の会話。

「もう一度、おんなじことをもう一度夕方に話してくれよ」

しぶしぶ頷くとなにかまた、私の記憶は気分としか言えないみたいな流れが、徐々に出来上がりつつあって、隣の人と確かめあうことは、たし、かに、あたらしくて眠たい。

「なんでかわりばんこに使うんでしょう」

少年は憤慨した。これは何時間もかかることじゃないか。真面目だねと言われて首を傾げた。この人たちは、部屋の中にいて、それがだんだんだんだん大きさの伴わない、ただの浮遊物になることを知らないのだろうと思った。