<616>「あなたあそび」

 そうさ、出来上がったよ。響いたよ。それからちょうど、語ってないはず、だのに、このあいた、ちょうどの入口から、渡すとしか思われなかった。

 ちょっとの間だけ、乗っている。気楽な気持ちで、ごまかさず早めにあいたから、脇道と、休憩に、やったり、見たり。俺とてこれ以上のことを想像し、食べて確かめ、ふたりで笑うだけの足しにしたよ(ねえ、なあに?)。

 さ、さ、ずるい人よ。壊れていて、有難いと歌う人よ。とことんまで行動をふやかそうじゃないか。まるでない公園に、ひとむれの私。一昨日からまた全く音もなくわたわたするとひとつのよい考えから救われてきた。

 まだまだ、このあと、話すことがあったり、したいことがあったり、したろうにという嘘(とまでは呼べない?)。たくわえていたのだと思っても違う。徐々にたまっていってはない。寝て醒めて、少なくもここからで分かる。大人でも分かる。

 ああ、あ、遊びはぐれて、ただの気体から悔しさを引き出して、割れて(割れたくない)、などと、舐めながら話すあの穴を想う。ほとんど忘れかけていた頃のことと、お互いに方向が教え合われなかった時代のこと、両方ともで、あなたあそび。