あまりにも当たり前のことすぎて

 あまりにも当たり前のことすぎて、悲しいとしか思わない。選択に迫られて、やむを得ず、不運でもって・・・。当たり前のことが当たり前に訪れ、それがちゃんと訪れたことに、安心感さえ抱かせる。

 よろよろと揺れる波の中にいて、突っ立っている。望んだようでも、他に方法が無いようでも、そうするのが当たり前のようでもある。どうして、とは思わない。どうしても、どうしても。ゆるゆると浮上する足元を見て、土をかけて。

 ちょうどひとつ分だけ香りを失ったその居間で、畳に手を置いて。据えるものが無いから。すえるもの、すえるもの。悲しいとしか思わない。