不機嫌な態度で居れば、全てが解決してきたから

 一昨日、あまりにも長い間ピエロを演じ続けたために、もう自然な振る舞いというのが分からない、何が自然な対応なのかが分からなくなったということを書いたが、果たして、親も同じ類の問題に苦戦しているように見える。

 今までは、何か納得のいかないこと、嫌なことがあれば、親はそれをそのまま態度に出してさえいれば、不穏な空気を何よりも怖れる私がピエロとなって出てきて、その場を和ませ解決させてきた(そして、親はそれが演技だと、私が打ち明けるまで気がつかなかった)から、それに乗じて親は常日頃から不機嫌を出すことに何のためらいも感じていなかったし、また、不機嫌になることで問題が解決されることに気づいていて、意識的にか無意識的にか、

「不機嫌を武器として使っている」

ようなところがあった。

 そしてそういった振舞いは、私がいよいよもううんざりして、あれはピエロ的演技であるということを告げた後も続いた。もうその不機嫌さは(私がピエロを放棄した以上)武器として通用しないということを、おそらく頭では分かっていながら、だ。

 何故か。何のことはない。親もその癖が染みついているのである。私のピエロを引き出して解決させるというその癖が、

「もう、そういうことじゃないんだよ」

と言われた後も抜けないのである。

 ここで、癖が抜けないからと言って変な妥協をした歩み寄りをすれば、また歪んだ関係性へと逆戻りするだけである。時間はかかるだろうが、お互いに癖を抜く方向で行く方がよほど良いだろう。