「これって、Aだよね?」
と自信を持って相手に確認すると、相手は、
「いやいや、Bでしょ」
と返してくる。
私と相手、どちらも自身の記憶に自信があるから、AだBだと譲らない。
「それじゃあ、調べて確かめてみようじゃないの」
ということになり、調べてみると、私が思った通り、答えはAだということが分かった・・・。
こういった場面にぶつかったとき、私は、一応のポーズとして、
「ほら、やっぱりAだったじゃないか。自信満々に言うから惑わされたよ」
と、怒ってみせるのが、対応としては一番良いのではないかと思っている。
本気で怒ってしまうのはダメだ。本気で怒ると、相手の方に、
「何故そこまで怒られなければならないんだ」
というような反発心が生まれてしまい、余計に関係がこじれていってしまうような気がする。
やはりあくまでもポーズとして、形式的に怒ることが、関係をこじらせないためには大事だというように思う。
「ほら、Aだったじゃないか。あんまり自信を持って言うもんだから、Bかもしれないとちょっと考えちゃったよ」
と言うことで、少なくともあなたの言うことにも説得力があり、私も答えを確かめるまでは、どっちが答えか分からないぐらいでしたよ、という気持ちを伝えることが出来、相手の方は、答えを外しているから、そのことで多少気まずい思いをしているかもしれないが、答えを外したことで、見下されているような感じを私から受けるようなことにはならないような気がしている。
もしもこの場面で、
「ほら、Aじゃないか」
と相手を見下したようにヘラヘラ笑いながら言うのは論外としても、
「やっぱりAか」
と言って、怒って相手を責めることもせずに、淡々と自分が正しかったことだけを確認するという態度を私が取ったら、相手は、私が怒って責めていないのにもかかわらず、私に馬鹿にされたような感じを受けるのではないだろうか。
つまり、
「私は私の考えに自信があったし、あなたの判断を聞かされても、全く自分の思いは揺らがなかったので、あなたによって惑わされた、という怒りはありませんよ」
ということを、
「ただただ、自分の正しさを確認する」
という行いをすることによって、相手に間接的に伝えてしまっているので、相手は、私が怒っていなくても、というか怒っていないからこそ、ひどく自分が下に見られたような感じを受けて、腹が立つのではないかと思うということだ。
だから、本当は自分の答えに自信があって、全く相手に振り回されたということがなかったにしても、一応、ポーズとして怒ってみせることで、相手の立場も尊重しているかのように見せることが出来、一番後味の悪くない終わり方を迎えることが出来るというように思うのだ。