<1498>「物量、び、びいん」

 なにか、ちょうど、向こうの方に、様々の香が続き、

 そこを立って見つめた、ひとりと、、

 なにか、風が上手く巡り、

 そのまま、長く、空気へ、、

 ひとりひとり、、

 そこに同じような呼吸をあらはしてはましろに、

 ましろに去り、

 去りながら立ち上がってくる、、

 方途をさらに遠くへ、

 立ち上がってくると見えて、まま、より遠く、

 遠くへ、、

 ひとつの指で触れて、、

 ひとつの指で触れたあとにあれはただじんとした響き、

 をそのままうちに持つだけだ、、

 だから身体がいろいろな方途で鳴っている、

 その時間に、、

 ひとりの指で順に入っていくのを見とどける、、

 あれはなにかどよめく、

 あれはなにか声の中にもまた声という響きがある、

 なにごとかそこを駆けてゆくんだろうか、、

 ふわふわと浮かびその響きに、、

 身をただもうもたれかけさせて、

 身も知らないで、、

 まるで遠くから奥へ、、

 そのまま、少し揺れ転じて、

 伝わってくるんだの、なにだのから、、

 肌を移す、、

 

 道理のなかにあわいげなあなたが映る、それは、

 映るには映る、

 かども、けれども、さっとうし、さっとうし、、

 身も離れ切ったままで、

 さっとうし、、 

 遠くのうたいに身体をかける、、

 どんなにかはなやかではれやかか知らないけども、

 どんなでも、、

 ここを巡るだけの物量が徐々に徐々に波を打ってくるんだ、

 その波に触れて来た、肌が、

 姿を移すのに、

 一言、一言とまた、、歩行のたびに、はき出し始め、

 そこへ思いのまま、転がる、、

 わたしは質と波とがそのとき瞬間を変えて、、

 だり、だだりと全く様子を移してしまうところに、いた、、

 声がただびいんとしびれ始める、、

 なにか、一声、一声が、結びつけられ、どこへやも、どこへやらも、

 えらまず、進み、、

 そのまま肌という肌を外側から包んでしまい、、

 ひらけた、ところに、、姿が、、

 まどうように、、

 日は日でそこに様子をして、あっけなくひらいたままであるという話とともに、、

 過ごし、、

 はて、徐々に混ざっていく過程なのか、どうかと、、

 また、しかし、えらく遠方であるに違いないものを、、

 どっか、どっか、どっかり、さて、はて、腰を据え、

 はてしのないところへ身を移したものだな、

 これは、ものだな、、物量だな、生きていると、、

 ト、ひとりの声がたくみに空間に鳴っている、

 確かめる仕草の、ひとつ、ひとつに、

 まともに陽が当たっていて、なにだろう、、

 これは、いったい、、どこから続いたら、このような声を立ち上げているんだ、、

 なんという、、また重なる、、また跳ねるもの、

 ものだな、物量だな、、という囁き、

 

 一度その場所へ指を連れて立ってみたらよいでしょう、

 と、

 感興デナシ、愉快げデナシ、

 ただ、そこは、、ふらっとといいあわせるのも、まったく拒まれるほどにそこにいるから、、

 私も、当惑というものを、、少し奪われたところにいる、、

 誰が、そこにいるのか、、きいたところでは、僅かにも、分からないさまを持って、、

 声を掛け、

 手のひらをこの場に掛けてまったく陽を含んだままにしているぞ、

 それは、姿で、意気込むのではないから、、

 角度を変えるたびに、

 光り方も変わって、、

 流れて、、

 あたしの肌を通る頃にまたものだな、物量だな、、

 という、、

 なにか、無口な、全部を語ったから私は無口ではない、

 という、巡り方の、、

 全部と、語り得るということが奇妙に矛盾する、、

 風のなかにはいった、、

 ぼうぼうばくとして続いた、続いた、、