<1255>「身体が轟音を立てる」

 溢れてものが巻き始める、、

 長い香りのなかへそのまま、

 たったひといきで巻き始める、

 ちょうどその香りが転倒しているところえ、

 すみやかに差す、

 私はここでどんな発話をなすのだろう、

 身体が長い、長い、あるいは備わった身振りを、出し、出し、

 今ではとんと捉えられない、

 とんときこえない、

 

 きこえない風景のなかに一片一片が流れ出してゆくのを感じるのだ、、

 またその風景のなかから徐々に徐々にふつふつと生まれだすものもあり私の周りを巻いている、

 身体が轟音を立てている、

 身体が轟音を立てていてもよく私は知らなかった、

 私は知らないものの集合なのだ、

 静かに跳び上がっていても何のことだか分からなかった、

 あるいは無表情をいくつか持っていた、

 

 この身体は湿りのなかへ好奇のつもりで入ってゆく、

 好奇の振舞い通りに入ってゆく、

 そこへ身体をつけた、

 何かが染みてくる、

 時間を数えた、 まだ染みていた、

 まだ私は湿りすぎていなかった、、

 身体が、 絞ってほしい、絞っていかれるのが当然であろう、と、慌てずそのそぶりで、確かに膨らんできていて、、おそれた、、

 私は身体の範囲だと思っていたが違うのか、、

 縁のある水は次々にこぼれてゆく、、

 小さな独話、

 独話がいちいち丁寧に音をする、

 私はぼうっとして数えていた、

 水が次々に垂れていた、、

 

 あたしのなかから水の記憶が消えていた、

 水の記憶は一切こぼれていたのだ、

 血も走らない、、

 あるいは時間も走らない、

 ただの乾いた穴へ、その穴があるならば穴へゆったりとしたスピードで駆けてゆく、、

 私はその乾いた面へ横たわると、

 いつまでも眠っていた、、

 あるいは時間を変更するために、、

 それは人間の時間ではないと言われるほど、長く、長く、気の遠くなるほど、長く、長くなるためで、、

 そこに水が落ちてくる、

 突然いちかしょは踊りを思い出すのだ、

 干上がった舞台で一瞬をさらい、

 掬い、

 ひとの手を見つめ、、

 どこの時間にも今瞬間的に浸透するのを、

 ほうけてほうけて見ているのだ、、